腐葉土化バッグ「タヒロン」使い方マニュアル
タヒロン(腐葉土化バッグ)とは
タヒロンとは、誰でも気軽に腐葉土作りができるように、腐葉土作りにおいて大変な労力をともなう「切り返し」
(=混ぜること)をしなくても、落ち葉や雑草が腐葉土化するように考えられた容器です。
腐葉土(落ち葉堆肥)の効用
落ち葉100%の腐葉土に含まれる肥料成分はわずかですが、微生物をたくさん含み、
さまざまな種類がある堆肥の中で、もっとも土壌改良効果の高い堆肥といえます。
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タヒロンの使い方
設置してみましょう
タヒロンは土の上に設置します。
雨ざらしで直射日光の当たらない場所がベストです。
傾斜地は、転倒の危険があるため避けるか、転倒防止の工夫が必要です。
比較的小型で動かしやすいガーデンバッグは、盗難防止のため近くの木にくくりつけて固定する等の工夫が必要です。
また、子どもがバッグの中に入る等のいたずらを防ぐため、フタ等のファスナーを南京錠や結束バンド等で止めてください。
集めた落ち葉をタヒロンに入れます。この時、落ち葉の乾燥重量も控えておきましょう。
水をかけながら落ち葉を入れて、全体にしっかりと水が行き渡るようにします。
詰め込んだ後に酸素が中まで届くように、あまりギュウギュウに詰め込まないでください。
米ヌカを少量、まんべんなく混ぜ合わせると落ち葉の分解が早くなります。また、すでに分解の進んだ落ち葉を混ぜても効果的です。
経過を観察してみましょう
3か月に1回はフタを開けて中を確認してみてください。
チェックするポイントとしては、
①内部の層はしっかりと水分を保持できているか。
②何cmくらい容量が減っているか。
③葉の形は崩れ始めているか。
表面はどうしても乾燥しやすいので、軽く水をかけるか、湿った部分と混ぜ合わせるなどしてください。
腐葉土のできあがり
落ち葉の種類によって、腐葉土が完成するまでの時間は
さまざまですが、通常、秋の落ち葉なら翌年の夏には
完成します(樹種や工夫次第では半年でできる場合も)。
完熟した腐葉土は、色が黒く葉の形も崩れて原形を
とどめていません。また、臭いもほとんどしません
腐葉土作りのコツ
いろいろな落ち葉を混ぜ合わせる
落ち葉の種類によって、腐葉土作りに向き不向きがあるのは確かですが、落葉広葉樹の葉ならおおむね適しています。いろん
な葉を混ぜ合わせると、分解に効果的です。また、避けたほうが良いのは、イチョウ、マツ、スギなどです。そして、春に大
量に落葉するクスノキも単体ではちょっと難しいので、他の葉と混ぜたり、分解が進んだ落ち葉と混ぜ合わせたりしてくださ
い。
米ヌカを効果的に使う
米ヌカには、落ち葉を分解してくれる微生物に必要なビタミン・ミネラルが豊富に含まれています。米ヌカをまんべんなく腐
葉土に混ぜると、微生物が急激に増えて発熱も進み、落ち葉の分解が早くなります。投入量の目安ですが、タヒロン静置型で
約1kgまで。ガーデンバッグLサイズで約300gまで。Mサイズなら約200gまで。入れすぎると悪臭の原因になります。
かたまりが残らないように、まんべんなく落ち葉と混ぜ合わせてください。
※米ヌカ1リットルで約250グラムです。また、米ヌカはコイン精米機のある場所やお米屋さんから無料で譲ってもらえるといいですね。
表面を軽く混ぜてみる
切り返し(=混ぜること)が不要なタヒロンですが、腐葉土づくりにおいて切り返しが有効であることも事実です。切り返し
をすることによって、通気性が良くなり、微生物の働きも活発になります。詰め込んだ落ち葉の表面が乾燥していたら、その
下の湿った落ち葉と混ぜ合わせると同時に、表面全体をかく拌するように軽く混ぜてみてください。この時、園芸用のスコッ
プや熊手を使うと便利です。
雑草の取り扱い
刈り取った雑草もタヒロンに入れてOKです。ただし、秋の枯れ草には種が多く含まれているので、米ヌカもいっしょに入れて
発酵温度を上げ、熱で種を死滅させましょう。一般的に、腐葉土の温度が60℃の状態を2日間持続すれば種が死滅すると言わ
れています。
注意すること
服装について
落ち葉詰め込み等の作業時は、汚れてもいい服装で、軍手を使いましょう。
できれば長靴も。
入れてはいけないもの
野菜くずなどの生ごみは、ハエ等の発生や悪臭の原因となります。
砂や枝もなるべく入れないようにしてください。
虫について
・ダンゴムシやヤスデが発生することがあります。でも、これらの虫は落ち葉の分解を助けてくれる虫で、腐葉土づくりにお
いては害虫ではありませんので、なるべく駆除しないでください。ミミズは大歓迎です。
腐葉土の使い方(腐葉土の施肥量の目安)
完熟した腐葉土は、還元施用の原則(できた腐葉土は落ち葉等が発生した同一敷地内で使用すること)を基本に、畑、花壇、
プランター等に土壌改良材として施用してください。
施肥量のおおよその目安として、1㎡あたり2~5kgを施すのが一般的です。なお、米ヌカなどを使わず、落ち葉だけで作られて
いる腐葉土の場合は、いくら施しても土が養分過多になることはありません。